CATEGORY 造り手訪問
19年振りに再稼働 信州 マルス蒸留所へ
ひと昔前は、高級な、おじさんの飲み物!?のイメージだったウイスキーも、
ハイボールのおかげで何だか身近な存在になりましたね。
お酒は美味しく飲めたらそれが一番ですが、でも少し知ると、
とっても奥が深くロマンを感じるのがウイスキー。
この度19年振りに再稼働した長野県にあるマルスウイスキーを訪ねました。
マルス蒸留所の歴史
1949年に鹿児島にてウイスキー製造の免許を取得。1960年に山梨工場を建てるも、1985年、「日本の風土を活かした本物のウイスキー造り」
を目指して理想の地を求め、中央アルプスの山麓信州に工場を移設。
原点に忠実に本物のウイスキー造りに取り組み2007年には、
シングルカスク・ウイスキーがロンドンの大会で銀賞受賞など、
国内外で高く評価され、幻の逸品とまで称されました。
しかしウイスキー需要の低迷で1992年を最後に蒸留は休止。
しかし、“このまま原酒を切らしてしまえば、マルスウイスキーという名が
無くなってしまう・・・、伝統ある蒸留所を将来に渡って残したい”
そんな想いからこの度、再稼働を決意されました。
1トンの原料から600リットルしかできません
蒸留所を入ると、ふわっと甘い香りが漂います。麦芽を糖化した香りです。
ただの建物だったのがまるで命を吹き返したような、そんな香りがしました。
ここで簡単にウイスキーの造り方をご紹介しますね。
まず原料である麦芽を醗酵させ、ビールのようなものを造ります。
それを2回蒸留してウイスキーの原酒が生まれます。
その課程で1トンあった原料が6,000リットルのビール状のものになり、
1回の蒸留で2,000リットル、2回目でわずか600リットルになってしまいます。
そのニューポット(生まれたばかりのウイスキー) を樽に入れて、
5年、10年・・・30年と寝かせていきます。
はじめは透明だったものが、樽に寝かせることであの黄金色へと熟成していくんですね。
今作っている原酒をすぐ飲む訳ではありません。
「おそらく15年いや20年後ぐらいが良いんじゃないですかね。
その時私は定年でいないでしょうけど。ウイスキーって今欲しい!と思っても
今すぐは出来ないんですよね。結果は10年以上先のこと。
この土地の水と風土に育まれて、どんな風に成長するのか楽しみでなりません。
ずっと後世に引き継いで行けたらと思います」 と醸造責任者の竹平さん。
“幸せな仕事です” の言葉が印象的でした。