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CATEGORY REPORT 2018

2018.10.28。オーガニック映画祭決定

今年のオーガニック映画祭が、10月28日日曜日に決まりました。


ただ今、映画選定中で、内容は未定ですが、お日にちだけ空けておいて頂けると嬉しいです。


有機農業の“有機”ってなんだろう?
「母乳を汚すような食べ物が、本物の食べ物と言えると思うか?」
「本物の食べ物でない食べ物を生み出す農業が、本物の農業と言えると思うか?」
“いえ、それは違います”
「本物の農業でない農業を推し進める農協は、本物の協同組合と言えると思うか?」
“問題あると思います”
この会話のやり取りは、1974年当時の農協のトップであった一楽照雄氏と、
若き日の神戸大学名誉教授 保田茂先生との会話です。
1970年1月の 新聞記事のトップが「全国の母乳から農薬検出」でした。


これを受けて農薬、化学肥料を販売品として扱う農協のしかもトップが、
それらを不要とする“有機農業”を提唱したのです。
また、その翌年の1971年に日本有機農業研究会が設立しましたが、実はその時はまだ、
有機農業という言葉は、日本語にはありませんでした。


では、どのように“有機農業”という言葉が誕生したのでしょう?
時期を同じくして、アメリカでOrganic Agriculture Movement 
と呼ばれる運動が展開しており、直訳すれは、有機農業運動です。
でも本当は、この言葉を直訳したのではなく、
日本に昔からある“天地有機”という言葉からの引用なのです。
それは、「天地に機有り」と読みます。


天地は大自然、機とは時や仕組みという意味があり、総じて法則という意味になります。
つまり、大自然には法則があり、それはまた本物という意味もあります。
天地有機の世界、つまり大自然は絶えず生々として繁栄し、
樹々は春には芽を吹き、秋には落葉する。落葉することで樹々は自らいい土、
つまり腐葉土を作り、自らを元気に生かしている。
この腐葉土と同じような土を畑に再生すれば、野菜も農薬や化学肥料を必要としないはずである。
この天地有機の考え方が、日本の有機農業の考え方の基礎にあり、言い換えれば、循環の法則になります。
決して有機資材を使うという、単なる技術的なことが有機農業ではないという事を
ぜひ、知っておいて頂きたいです。


有機農業が目指すもの
母乳の農薬汚染をきっかけに立ち上がった有機農業運動。
昔も今も変わらず、有機農業の目的は“次世代の命を守ること”です。
汚染されて最も被害を受けるのは赤ちゃんです。次の命です。
それらを守りたいと思っているのが、有機農業です。


自分の利益ではなく、まだ見ぬ命の為に立ち上がった大人たちに感銘を受け、
私もそんな大人になりたいと思ったのが、22歳の頃でした。 

【管理栄養士 坂東武子】