畑から食卓まで
日本の農業と食生活を応援したい

●創業、昭和24年

現社長の遊作誠さんのお父さまが創められました。
しかし、遊作さんが小学6年生の時、お父さまは42歳で亡くなられ、お母さまが継ぐことになりました。
しかし、納豆の温度調節が難しく、お母さまがかまどの前で泣いている姿を何度となく見られたそうです。

●土木技師となって

家業としての納豆作りを見ながら育ったわけですが、そのまま家業を継ぐのが嫌で、大学卒業後は土木技師として働き始めました。
そこで東北自動車道の建設工事のため岩手県の農家に長期滞在することに。
農家と家族同然の暮らしをしている中、東北の農家の厳しい生活を知ることに。
冬には男性は出稼ぎに出て、そのまま帰らない人も…。
滞在していた農家で帰らぬ夫を待ち続け疲れ果てた妻が農薬で服毒自殺をしてしまったのです。

●厳しい暮らしを強いられている農家の暮らしを何とかできないものか？

思い悩んだ遊作さんが辿り着いたのが、家業の「納豆」でした。
国産の大豆を使うことで少しでも農家の助けになるのではないかと。
昭和40年代当時は商社が輸入する大豆ばかりで、国産大豆を納豆として使うなどということは、金ばかりかかって無駄だと止められました。
商社が介入するため、いつでも好きな量だけ買えるうえ、後払いができた輸入大豆に比べ、農家一軒ずつとのつきあいになる国産大豆。
調達するには1年分を現金で買う必要があったのです。

●昭和55年　登喜和食品をスタート

「日本の農家の力になりたい」と、父親と母親の名前と「平和」を願って『登喜和食品』と名付けました。
滞在していた農家を起点とし、有機栽培に取り組む仲間を少しずつ増やしていきました。
すべてを国産に出来たのは、今から10年ほど前の、平成11年頃。
こだわりは、大豆だけにと止まらず、納豆の容器には農薬や化学肥料を使わないで栽培された稲わら、経木、紙を使い、またタレやカラシも化学調味料や合成保存料、着色料は一切使いません。
そこまでこだわり抜いた納豆、なかなか採算はとれないようですが…。
それでも曲げるつもりもなく、「 作り続けます！」と。

*大豆畑

●大豆に新たな光！「テンぺ」登場

健康志向の方の間で最近話題のテンぺ。
元々インドネシアの醗酵食品です。
納豆のようにネバネバでなく、香りも茹でた大豆そのものといった感じ。
登喜和の生てんぺは、大豆の栄養成分と旨みを余すところなく生かすために、皮も丸ごと発酵。
柔らかい木の実のような食感と大豆本来の旨味が凝縮し、そのまま生で食べてもおいしく、また、和・洋・中華料理、和・洋菓子 の食材として幅広く活用できます。
カレーに入れたり、かき揚げにしたり…
なんとアイスクリームとの相性も◎！！

●正義の味方・醗酵仮面　小泉武夫先生も絶賛

テンぺは醗酵中、大豆の成分が大きく変化して、栄養価の高い食べ物になります。
まず、大豆の主成分であるタンパク質が分解され、アミノ酸類やペプチド類となり、また、繊維も破壊しますから、消化と吸収が理想的な食品になります。
特に遊離のアミノ酸では、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、アラニン、リジン、ロイシンが大豆の20～200倍にも増えています。
中でも大きく変化を見せるのが遊離脂肪酸で、クモノスカビ（テンぺ菌）の強い脂肪分解酵素で大豆の脂肪が分解され、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸が激増するのです。
これらの不飽和脂肪酸は、血管や毛細管を強くする作用があり、脳溢血やクモ膜下出血などの予防に効果があるとされています。
また、最近の研究では、これらの不飽和脂肪酸は肌を美しくするとか、血中コレステロールを低下させるといった老化制御の効果もあるといわれています。
さらに、ビタミン類も非常に多く、ビタミンB2は醗酵前の大豆に比べ、醗酵終了後のテンぺには約50倍、B6は15倍、ニコチン酸は20倍と驚異的に増えます。
東京農業大学名誉教授
小泉武夫 著「くさいはうまい」より

てんぺ製造風景

おいしくて、美容と健康に抜群のテンぺ！
そして何より生産者との強い繋がりが嬉しいですね。
ぜひ皆さまの食卓へ。