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CATEGORY REPORT 2016

食糧廃棄問題 その1

世界の食糧生産量の約3分の1が毎年廃棄されています。
フランスではその現状を変えようと、パリ郊外クルーボア市のアランシュ・デンバーシュ市議の努力が結実し、フランス全土にある大型スーパーに売れ残りの食糧の廃棄を禁じ、慈善団体への寄付が義務付けられる法律が成立しました。


国連食糧農業機関(FAO)などによると、毎年世界で13億トンもの食料が、
収穫されてから消費者の口に入るまでの間に廃棄され、食べられるのに家庭や
レストランで廃棄される「食品ロス」は、フランスは約700万トン、
日本は約640万トンとされています。
ただし、フランスの食糧自給率は120%ですが、日本のそれは39%です。自国の食糧のロスか、他国から買ったものをロスしているのかは、大きな違いです。


一方、国連世界食糧計画(WFP)が行っている食糧支援量をみてみましょう。
世界の難民、国内避難民、そして自ら食糧を確保することが困難な女性や子ども、お年寄りを対象とし、世界75か国、1億920万人に対して、460万トンの食糧支援が行われています(2010年)。この数字をみますと、廃棄されている食品の量が、いかに恐ろしい数字であるかがよくわかりますね。


今回の法整備に尽力したデンバーシュ市議は、イラン革命(1979年)でフランスに逃れた両親の間に生まれ、大学時代に食費の工面に苦労した経験から、食糧廃棄に目を向けるようになったそうです。
市議になった2014年、訪ね歩いたスーパーでは、廃棄食品が持ち去られるのを防ぐためにゴミ箱に鍵をかけたり、食べることができないように化学薬品で処理したうえで廃棄されていた。生活困窮者への無償提供を打診すると、「法規制されたらするよ」と皮肉交じりに言われ、それならばと立ち上がり、法規制に持ち込みました。


デンバーシュさんは、「日本は第二次世界大戦で飢えを経験し、食べ物の貴さを理解している。きっと現状をかえることはできるはずだ。」と呼びかけています。
(毎日新聞より一部引用)


そうですね。日本も本気で考えないと! ですね。
廃棄問題でのキーワードは、“賞味期限”です。
次回、その賞味期限とは何か?についてみていきたいと思います。        
 【管理栄養士 坂東武子】