いざ、木次へ(2日目)
2日目は、手作りパンで始まりました。
朝早くからご準備頂いた、ピクニックのようなオシャレで
美味しい朝食にテンションが上がります。
あいにくの雨で牧場見学は中止(次回?)ということになり、
スケジュールを繰り上げて木次乳業の本社にて、
製造課企画品質管理質 室長 医学博士の奥井俊介さんから講義を受ました。
牛乳は身体にいい!?
今でこそ科学的にわかっている殺菌方法、パスチャライズ(低温殺菌)ですが、
当初は人体実験、実際に飲んでみながらの試行錯誤の上で確立していったそうです。
牛乳の殺菌方法には、最も一般的で保存を目的とした
●超高温瞬間殺菌120℃で2~3秒、と
●風味や栄養価を重視したパスチャライズ
(低温保持殺菌)63~65℃で30分、(高温短時間殺菌)72℃で15秒とがあります。
木次乳業では65℃30分を採用しています。
なぜ、低温殺菌なのか?
たんぱく質とはたくさんのアミノ酸が結合し立体構造をしています。
高温殺菌をしてしまうとその立体構造が崩れ、本来牛乳のたんぱく質は
胃の中で塊を作るはずが出来なくなります。
そのことで、乳たんぱく質の凝固・分解がスムーズに行われずまた、
カルシウムはタンパク質と結合して吸収されるので、その吸収率にも影響してきます。
当店のお客様で、他の牛乳だとお腹を壊すけど、木次さんのだと大丈夫
という方が何人か居られます。
こういうことも、たんぱく質の熱変性が関与しているようです。
(但し、乳アレルギーや乳糖不耐症でない場合)
また、脱脂加工乳である低脂肪牛乳を作る際、ヨーロッパではカルシウムの吸収を良くするためにビタミンDやEを添加しています。
牛乳の中の脂肪酸について
牛乳の中には、CLA (Conjugated Linoleic Acid) 共役リノール酸が含まれています。
これは、多価不飽和脂肪酸の一種で、頭がよくなるぞ~と人気のDHAなどの仲間です。
働きは、①脂肪細胞を増やさない ②神経幹細胞に働きかける。
②について。幹細胞とは、まだ複数系統に分化できる細胞のこと。
この細胞から、神経細胞ニューロンが伸ばしたり、増やしたりする効果が
DHAよりも高いことがわかってきました。
また、認知症やパーキンソン病はニューロンが壊れる病気なので、
海馬で神経幹細胞が産まれるので、CLAを使ってそれをより効果的に出来ないか
という研究が進められています。
さらに、CLAは乳がんや大腸がんに良いとのことで、イランがCLAを主体とした
抗がん剤を作ったとのことです。
ちなみに、脂肪酸は熱には強いので超高温殺菌でも問題はありませんが、
実は放牧牛の乳の方がこのCLAの量が多いそうです。
しかし、もともと牛乳が合わなかったり、年を取るに従い牛乳を飲むと
お腹がゴロゴロし、飲めなくなることもあります。
そんな時は無理をしないで、代わりにチーズをお勧めします。
実は、チーズ20g摂取するのと牛乳200cc飲むのはほぼ同じです。
またチーズには潰瘍を和らげる効果や血圧を下げる効果もあるということでした。
まだまだ、お聴きしたいことや、質問も続きましたが時間の都合でここまで。
知っているようで知らない、解明されているようでまだまだの食品の世界。
またひとつ勉強になりました。
有機農業の旅はいつも安心して美味しいものが頂けて本当にありがたいです。
それぞれが自立し、ゆるいつながりの中で共生するという食の杜の形は、
ひと昔前の自分の街の商店街や地域を思い出しました。
本当は都会でも田舎でも、どこにでも食の杜はあったんじゃないかと思います。
簡便さを求めすぎて忘れてしまっただけで。
自給とまでは行きませんが、今回改めで、そんな心地いい共同体を
自分の街にも取り戻せたらなぁと思いました。
今回参加された方の多くは、私の親ぐらいの世代の方で、
中には食を守る会を40年前からしている方もいらっしゃいました。
それは私が生まれるよりも前からです。”誰のためにか!?”
それは次世代の子どもたちのためです。ということは、私たちのためですよね。
今の食・農の現状に異論はあっても、
こうして何とか良いものを繋げてきてくれたんだなぁと思うだけでジーンと嬉しくなります。
さて次は私たちの世代が次世代の為に何を伝え、残せるかですね。
酒屋としてまた管理栄養士としてなにができるか?
改めて考えるきっかけとなりました。
本当にありがとうございました。
また世代間交流も楽しみです。
今後共どうぞよろしくお願い致します。

